東京新聞7月5日
515マイクロシーベルトが計測された場所の土を運び出す公社職員ら=東松山市で
東松山市の岩鼻運動公園内で三日午後、空間放射線量を測定していた市民グループが数値の異常に高い場所が二カ所あるのを見つけ、公園を管理する東 松山文化まちづくり公社に通報した。同公社で測定したところ一カ所で一・五一五マイクロシーベルト(地上五センチ)、もう一カ所で〇・三五六マイクロシー ベルト(同)を計測した。公園の他の場所は〇・〇五マイクロシーベルト前後で、高い箇所は約三十倍だった。 (中里宏)
市みどり公園課と公社は三日から四日にかけて、二カ所の表土を取り除き、公園内の通路から離れた場所に埋設処分した。土の一部は民間機関に分析を依頼した。
市や市民グループは四日、何者かが放射能に汚染された土を不法投棄した可能性が高いとして東松山署に通報。同署は廃棄物処理法違反容疑で捜査を始めた。
市みどり公園課によると、放射線量の高い箇所は約二平方メートル、低い箇所は約一平方メートルにわたり砂の混じった灰色の土砂が捨てられたような形跡があった。
三日に放射線量を調べた市民グループの一つ「子ども未来・東松山」の山本純子さんは「市は市内三十四カ所の同じ場所での測定を続けており、小さい子どもを持つ親は不安を抱えている。もう一回、より細かい測定を行ってほしい」と話している。
除染前の現場写真(山本純子さん提供)
ホットスポットファインダーで計測した際の画面のスクリーンショット
(山本純子さん提供)
東京新聞7月8日(埼玉中央版)
東松山市の公園に投棄の土
セシウム2645ベクレル検出
東松山市の岩鼻運動公園で放射性物質を含む土が見つかった問題で、市が採集した土を分析した民間検査機関は7日、セシウム134が1キログラムあたり685ベクレル、セシウム137が同1960ベクレルで、計2645ベクレル検出されたと報告した。
一方、市などから通報を受けた東松山署は4日に現場を調べた結果、遺棄されたとみられるものが土だけだったことを確認、廃棄物処理法違反(不法投棄)には当たらないと判断した。